また、教員間の雑談レベルでも、どうも、同様の認識が定着しているようだ。
もちろん、個別に見ていけば反証例はいくらでも見つかるのだろうが、ここまでオトナの間の認識がはっきりと一致していることには、きっと理由があるはずだ。
たしかに、遺伝子レベルで考えても、男は、胎児期に、かなりムリして性別「男」へと変化を遂げて世に生を受ける(らしい)。また、X染色を一つしかもたないため、それに病的因子が乗っているとY側に対立遺伝子がないため病気が発現しやすいとも言われる。要するに、弱い個体ということであり、出生後の乳児死亡率や寿命にも男女間で有意な差がある。
さらに、母子関係における「男の子」問題も指摘される。すなわち、乳幼児期の母親密着と、その後の母親からの引き離しという二つの要請をどのように実現するかという問題がある。この点、膨大な文化人類学的な知見を参照するまでもなく、ほとんどの歴史的時期・社会において、男の子は「男」になるためのかなり過酷な社会的・文化的な通過儀礼をクリアして、はじめて共同体の成員としての承認を受けてきた。ハードルを乗り越えられず、命を落とす例も相当あったと想像される。
このように、共同体が存続するために必要な一方の性に対して、世界中至るところで過酷な試練が科せられてきたことにも、おそらく理由がある。(フェミニズム論客から叱られそうな領域に近づくので、これ以上は立ち入らないけど)。
とにかく、男の子が「男」になるのには、非常に厄介なプロセスを経るということを踏まえると、現在の日本社会に、その成熟を一気に促すための社会的・文化的な装置が用意されているかと言えば、甚だ疑問である。
これには様々な理由があるものの、社会の豊かさに起因する「子ども期の引き延ばし」現象が生じていることは間違いない。また、種の生き残りのために、男女の役割分担を強いられた長い闘争の歴史と比較すると、社会の成熟と豊かさをむしろ寿ぐべきであろう。
しかし、物事には必ず対価がともなう。
男子学生がふがいない、頼りないと嘆く方々に対して、私がお伝えすべきことは、ただ一つ。
→これは私たちが望んだ状況ではないですか?
そう、私はやや頼りない男子学生に対して、とても同情的である。
男子学生諸君、センセイ、すっごい勘違いしてるかもしれないけど、キミらの味方だぞ!(^^)v
ほんと、「男はつらいよ」だなあ(しみじみ)。ヽ(´ー`)
《もう少し学びたい人向けの参考図書》 小浜逸郎「『男』という不安」(PHP新書 2001年)

男はつらいよ。本当にそれはそう思います。それでも、生きていかねばならぬのですね……。
返信削除山田洋次はエラかったが、寅さんを受け入れた時代もやさしかった。
削除そう、生きていかねばならぬのです!